Dream House Community -2ページ目
道を歩く前に
やさしい
声が聞こえる
聞きなさいというから
ただ耳を傾けただけ
すると
隠されているはずの秘密が
まるで誰の目にも
明らかであるかのように
そっと声が伝えてくれたりする
隠された秘密は
隠した人にとっては
やさしい
最善の選択だったりする
相手の視点に立ったら
隠したことすら
尊敬に値したりする
だから
聞いてしまっても
聞かなかったことにしよう
目を瞑って
なんでもないふうに
前へ前へ進む
淡々と
聞こえていた事実を
受け止めるだけ
前へ前へ
前へ
小さくて脆くて
大切なものを
守るために
列車を
見送ることにした
それは
急行列車だった
勢いよく
多くの人を
乗せて走る
小さくて脆くて
たった一つの
大切なものを
守るために
喜んで
見送った
後悔はない
そして
急行列車の
過ぎた後には
やわらかな光が
かすかに
たしかに
残るんだろう
昔夢を抱いた
抱いた
瞬間のそれは
とても脆くて
壊れそうだった
夢を抱き続けた
時が経っても
ふわふわして
とらえところが無い
それでも
今もなお
変わらずに
ここにある
私の夢
Dream
House
それは共有したい
三つの空間
●人の隠れた
可能性が最大限に花開ける空間
●世代の壁も
性別の壁も越えた温かい空間
●思いやりや愛の溢れた空間
「何かをすること」に特別
意味があるわけではない
ただ一瞬一瞬で
そういう空間を
大切な人たちと
共有していけるといい
ただそれだけを
願っている
なんとはなしに今日も
お婆ちゃんの事を考える
私の部屋には
お爺ちゃんとお婆ちゃんが
温泉に行って仲良く
写っている写真があって
その写真を見るたびに
心がほんとうに
落ち着くから不思議だ
そして思う
日々の言動ひとつひとつは
誰の目にも止まっていない
多くの瞬間が誰にでもあって
どんな言動を
とるのも自由だ
けれど
お婆ちゃんが神様が
側で見ている気がする
その両者に
笑ってもらえるように
喜んでもらえるように
そのための一歩を
積み重ねていたい
8時に目覚ましをかけた
それよりも前に
母が部屋に入ってきて
”さっき、桜の花を見に
散歩に行ってきたよ
白山神社の桜は
すごく綺麗にまだ
咲いていたよ”
と、朝から母
いつになく嬉しそう
近所の人が皆
愛する広場がある
白山神社と呼ばれる
その土地には
毎年
綺麗な桜の花が咲く
そこは高台になっていて
学生はその道を
よくジョギングに使い
大人たちはここを
散歩コースにしている
ここを通り過ぎるたび
変わらないものの
安心感に浸りほっとする
環境は変わり
時は確実に過ぎていく
そういう中にあって
変わらない光景を
心は欲するのだろう
誰もが愛する
この土地の名を
白山神社という
この土地に咲く
桜の花を
愛せずにはいられない