小さくて脆くて

大切なものを


守るために


列車を

見送ることにした


それは

急行列車だった


勢いよく

多くの人を

乗せて走る



小さくて脆くて

たった一つの

大切なものを

守るために


喜んで

見送った


後悔はない


そして


急行列車の

過ぎた後には


やわらかな光が


かすかに

たしかに


残るんだろう



carcassonne4